フリーランス(個人事業主)になると、どうしても数字の管理が必要になってきます。
特に経費の把握は大切です。1つの仕事をするためにどれだけお金がかかっているのか把握しないと、今後の方針もたちませんし、節約も節税も難しくなります。
経費は収入に直結しているのです。
それでは、フリーランスとしてどのようなものが経費として計上できるのでしょうか。
フリーランスの経費が曖昧になる理由
経費とは事業を行うためにかかった費用のことです。
これがサラリーマンでしたら、基本的に私生活と仕事が切り離されているため、なにが経費になるのか悩むことも少ないでしょう。
しかしフリーランスになると、大抵の人は自宅で仕事をすることが多くなり、生活と仕事の境界線が曖昧になります。
そうすると、途端に経費の基準もわかりにくくなるのです。
経費の基準は「事業のためかどうか」
たとえば賃貸借のアパートで生活をしつつ仕事を行っていた場合、家賃は経費になるでしょうか。
答えは「全床面積のうち仕事に使用しているスペースの割合分は、経費として計上できる」です。
光熱費も同じです。
一日の電気代の内、仕事に使っているパソコンや通信機器の消費電力×仕事時間分は経費にできます。
携帯通信費も仕事に使った電話代は経費です。
このように、事業を行うために必要な費用に関しては経費として認められます。
経費にならない3つの支出
では、逆に経費にできない費用はどんなものが考えられるでしょうか。
まず「仕事に関係しない費用」は当然経費にはなりません。
事業税や所得税、住民税など税金も、費用ではなく「納税」なので、経費ではありません。
健康保険、生命保険、国民年金などは「所得控除の対象」なので、やはり事業のための費用とは見なされず、経費になりません。
しかし、以上3つのうち「税金」と「所得控除」は完全に経費ではありませんが「仕事に関係しない費用」は、経費になる可能性があります。
仕事の内容によってはグレーゾーンが存在するのです。
グレーゾーンは「仕事に必要か?」で判断
経費かどうか判断に迷うグレーゾーンは数多くあります。
グレーゾーンの場合は「貴方の仕事に必要かどうか」で、判断しましょう。
たとえばスーツは、基本的に経費になりません。
スーツは仕事に絶対必要というわけではないからです。サラリーマンの時、会社がスーツ代を出してくれることはまずありませんよね。
しかし、完全な仕事着である制服の場合は、会社が用意してくれる場合も多いと思います。これは経費として計上できそうです。
スーツであっても「スーツでなければ仕事にならない」のであれば経費にできるかもしれません。
また、スマホの有料ゲームアプリなどは普通はあきらかにプライベートな費用です。
しかし、もし貴方の仕事が「ゲーム開発のプログラマー」で「仕事上ゲームアプリをダウンロードする必要がある」なら経費になるでしょう。
仕事に必要なら経費として計上しよう
このようにフリーランスの仕事では、経費の判断は意外とグレーゾーンが多いことに気がつきます。
どんな仕事をしているかによっても、経費の対象は変わってくるのです。
「税金」と「所得控除の対象」以外は「仕事を行うのに必要かどうか」を基準に考えましょう。
第三者(すなわち税務署)を納得させるだけの必然性があるのなら、経費として計上できる費用は多いのです。
うまく経費に計上すれば、節税できます。「経費」という視点で仕事に使うお金をみるようにしましょう。
参考:国税庁「No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)」<http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1350.htm>